安倍内閣の「戦争する国づくり」に反対する声を、大きく広げましょう

戦後60数年、日本国憲法のもと平和主義を掲げて歩んできた私たちの国は、今、大きな危機に直面しております。それは、安倍内閣による「戦争する国づくり」の準備が、国会の多数の力を背景として、強行に進められているからです。

昨年秋の臨時国会では、防衛・外交情報を覆い隠し、また、特定有害活動・テロリズム防止を口実として、国民の権利と自由を奪う「特定秘密保護法」が、盛り上がる反対世論を無視して強行採決されました。また、軍事の司令塔の役割を果たす「国家安全保障会議設置法改正」も成立されました。

昨年末には、「戦争する国づくり」の基本となる「国家安全保障戦略(NSS)」を策定し、併せて、NSSの内容を支える「新防衛大綱」や「中期防衛力整備計画」を閣議決定しています。これらには、周辺国に対抗するためとして「集団的自衛権の行使」を視野に入れた、日米同盟の強化と自衛隊の攻撃的機能の強化をはかる極めて軍事力を重視した内容が盛り込まれています。さらに、NSSには、武器輸出3原則の全面見直しや、「国を愛する心を養う」という個人の思想信条に踏み込んだ文言すら書き込まれています。

本通常国会で安倍首相は、第一次政権で果たせなかった「戦争する国づくり」への最重要課題ともいえる「集団的自衛権の行使容認」に向けて並々ならぬ決意を見せております。日本が武力攻撃を受けていなくとも、アメリカと肩を並べて海外で戦争するという「集団的自衛権の行使」は、「必要最小限度の範囲」という歴代政府の「自衛権」解釈からも大きく逸脱することは明らかです。

これらは憲法九条の実質的な改憲であり、私たちは、断じてこれを許すことはできません。

また、このような「解釈改憲」の企ては、本来ならば憲法「改正」の手続きを経なければならない内容を、閣議の決定および「国家安全保障基本法」や「集団的自衛権行使法(仮称)」などの法律制定によって実現しようとするものであり、「立憲主義」を根底から突き崩すという点からも決してあってはならないことです。

安倍首相は、本通常国会中に、今春に提出される予定の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」報告を受け、「集団的自衛権の行使容認」を閣議決定すると述べています。また2月5日の参院予算委において、「政府が適切な形で新しい解釈を示すことによって可能だ。憲法改正が必要だという指摘は当たらない。」と答弁しています。さらに2月12日の衆院予算委では、「憲法解釈の最高責任者は私だ(内閣法制局長官ではなく)。その上で私たちは選挙で国民の審判を受ける。」と強弁しています。これに対しては与党議員からさえ、「選挙で勝てば憲法解釈を自由に変えられるのか。危うい発言だ。」と指弾されています。さらに「武器輸出三原則」を骨抜きにしようとしています。

「集団的自衛権行使容認」をめぐる事態は非常に切迫しています。

私たちは、安倍内閣の「戦争する国づくり」を断じて許すわけにはいきません。

この危険な道を阻むため、大きな運動の広がりをつくることが、今、私たちに求められております。

県民大集会の開催や世論の拡大のために広汎なチラシの配布活動など趣向と創意を凝らし、一人ひとりの平和への願いを寄せ合って、幾重にも大きな輪を結んで参りましょう。

そして、広く県民の皆さんと手を携えて、日本国憲法9条の「平和主義」を全世界に向かって伝えつつ、後世にしっかりと引き継いで行こうではありませんか。

2014年3月21日

みやぎ憲法九条の会第10回呼びかけ人総会