9/5 宮城県内九条の会連絡会 講演会「今こそ 憲法を!」講師:渡辺治さん

9月5日(土)、東京エレクトロンホール601会議室で行われた渡辺治さん(一橋大学名誉教授 憲法学、九条の会 事務局)の学習講演には150名の方が参加して熱心に視聴しました。渡辺さんは安倍信三首相が体調不良により突然の退任を表明し、自民党の新総裁選が開始されたタイミングの講演となりましたので、演題も「安倍なき安倍政治」「安倍なき安倍改憲」と改題してお話しました。

 

小泉内閣以来4半世紀の間、自民、公明が取ってきた「新自由主義」政策は企業が世界一働きやすい環境をつくるために労働者のリストラ、非正規化賃金切り下げと大企業の負担軽減と規制緩和・市場創出を極端に進めた。

一方で、アメリカと一緒に戦争できる大国をめざして、集団的自衛権を「合憲化」し、安保法制変えてきた。憲法9条に自衛隊を書き込んで2020年まで施行すると言明して国民投票までもっていこうとしたのがこの間の安倍・自公政権であった。それを官邸主導の強権体制で進めたのが安倍政権であった。

4半世紀にわたる新自由主義は医療・社会福祉の削減による企業負担軽減を図るものでしたが、徹底した公的病院の病床数削減や保健所削減で医療体制が困窮しているところに新型コロナの感染が起きた。

だから、感染初期の段階で安倍首相がどんなにPCR検査を拡大するといっても進まなかった。その意味で、新型コロナは新自由主義社会づくりの矛盾を表面化したものである。

新型コロナ禍の中で憲法改悪かという国民の声となおかつ、安倍による政治の私物化=森友・加計・桜問題、検察官人事への介入が国民に追及されて、記者会見もできない状況に追い込まれた上での辞任であった。

こうした状況を作る上で大きな役割を果たしたのが「市民と野党の共闘による国会内外における闘いであった。

本来ならばこうした状況に対して政策的な手直しなどが必要であるのだが、後継の自民党総裁候補がだれが総裁になろうとも安倍首相の政策を継続することを表明しているので、「安倍なき安倍政治」、「安倍なき安倍改憲」が続く。

私たち9条の会としては「安倍9条改憲NO!」の緊急署名行動を当面続けることが大切で、同時に「市民と野党の共闘による野党連合政権の政策づくり」を励ましていく必要があると強調した。

9.5連絡会総会チラシのサムネイル