日本には空の主権が無い!

嵐田光宏 記

沖縄が憲法や法律の「番外地」となっているのは事実であるとして、実は日本の空の主権が米軍によって大幅に侵害され、治外法権ゾーン(「横田空域」)の存在していることを知っているだろうか?

「横田空域」は、日本列島の中央をさえぎる巨大な「空の壁」(1都9県に及ぶ広大な地域)であり、米軍が航空管制を握っているため、羽田空港や成田空港に出入りする民間機は空域内を通過できず、わざわざ迂回して飛んでいる事態となっているのである。安保条約の地位協定を飛び越えて、密約により航空管制権を米軍にデレゲートしている結果であり、航空法等の国内法を適用させていないのは世界的に異例で、こんなことは日本だけだ。

2020年の東京オリパラに向け「羽田新ルート」の許可を得るべく米軍と協議をしているらしいが、新ルート沿いの市街地住民の間から低空飛行に強い反対の声があがり、物議をかもしている。日本に空の主権があれば人口密集地を飛ばない航空路も十分設定できるというのに、全くひどい話である。

また、先にトランプ大統領が羽田空港発着で訪日したが、‘17年は米軍の「横田基地」から直接乗り込んできたのであった。今回は国賓だったためさすがに日本の玄関から入国したのであろうが、“G20大阪サミット”ではどうするか、追従的外交に終始する安倍内閣のもと従属的国家へのアメリカの態度が再び注目されるところである。