2021年11月24日(水)に行われた「憲法9条を守り生かすみやぎのつどい2021」を無事終えることができました。
報告を兼ねて、以下の文章をご紹介いたします。
11月24日(水)仙台銀行ホールイズミテイ大ホールで開催された「憲法9条を守り生かすみやぎのつどい2021秋」には平日でしたが800人の市民が集合、岸田自公政権及び補完勢力の改憲促進の合唱に「憲法9条守れ」の活動を早急に広げる決意を固め合いました。
開会はみやぎのうたごえの皆さんが日本は戦争をしないと誓った「約束の歌」他3曲合唱を披露してくださいました。最後に、宮城のうたごえで指導的に活躍され、52才の若さで逝かれた「作曲家小林康浩」さんが宮城県南部の山元町で町を眺めながら作曲したという「ちいさな町から」が、合唱で歌うのは初めて披露されました。 小林さんが言われていた「仲間の大切さ!」「幸せになる歌を!」「平和が一番!」の心が伝わりました。
芳賀唯史みやぎ憲法九条の会共同代表は開会のあいさつで、国会で改憲勢力が3分の2を占めたことによって、自民・維新の幹部によって改憲の動きが急激に進められている状況を紹介、「正に風雲急を告げている」。この動きの引き金となった総選挙でマスコミでは「自民勝利、維新躍進、共闘惨敗」と伝える報道が多くなっているが本当にそうかと疑問を述べ、2017年の総選挙と今回の総選挙を比べると、自公は19議席減らし291に、小池百合子都知事に率いられた希望の党と維新はいわば自公の補完勢力は61議席から20議席減らして41議席になった。唯一大きく増やしているのが市民と政策協定を結んだ、共闘勢力が2017年の68議席から今回110議席と42議席の増を果たした。これが今回総選挙の結果である。共闘勢力恐れるグループが共闘は失敗したと言っているだけなので、市民と野党の共闘に確信をもって活動を進めることが大事である。
ただ云えば共闘勢力の政策締結が遅れたことが問題でこれは今後の課題として解決が必要であると指摘。来年の参議院選挙は7月と期日が決まっているので市民と野党の協定を早くまとめ、共闘に対するデマ宣伝に堂々と立ち向かうことが憲法改悪を阻止する最大の力となる。市民と野党の共闘の力に確信をもって闘いを進めようと呼びかけました。
続いて落合恵子さん(総合育児雑誌「月刊クレヨンハウス」主宰、九条の会世話人)より「自分を生きる時代と社会に抗い丸ごとのいのちとして」と題して記念講演をしていただきました。以下要旨を紹介します。
来たいと思っていた仙台での講演もコロナ禍の中で、1回、2回と中止になってようやく実現したつどいに参加できたことを喜びます。
「元気ですか?心から元気ですか?元気に生きましょう!今の政権が倒れるのを見なければ私は死ねない。」との言葉から講演は始まりました。
「モリカケ、桜、広島にばら撒かれた1億5000万は何だったですか。どれもこれも『彼の人』から発したものが何にも語られないまま、今になってしまっている。それで「民主主義っていうことが可能ですか?これが政治だと肯くことが可能ですか?」と問い、いつも私は自分に「忘れるな」と問いかけて生きてきた。
私は終戦の年の生まれで、77歳になります。私にとっては祖母の年齢なんです。あと何年生きられるかなと反対側から計算して行った時、「誰に遠慮がいるもんか」「何に遠慮をするもんか」「誰に忖度するものかと」反対に元気になる自分がいる。「草萌ゆる誰に遠慮がいるもんか」という俳句を作ったのは15か16の時でした。その時は、私は怒っていました。いつも怒っている私がいる。友人に云われます。「疲れませんか?あなた、いろんなところで反対って手を上げて、色んなもの失って来たじゃない、損して来たじゃない。そろそろ止めたら。だってあなたたちがやっていることは成果がありましたか?」って言われたりしますが、私は「有る」と思っているのですが、一方でこうも言えます。「成功するからやるよというのはケチだ」とも思います。成功するかしないかはわからないけれど自分の思想と姿勢にかけて「おかしいものはおかしい」と言って行くのが生き方だろうと思う。
そして、落合さんが交流された九条の会呼びかけ人の大江健三郎さんや井上ひさしさん他の色んな方々のエピソードや、お気に入りの作家の珠玉の言葉を紹介しながら時代と政治と姿勢のあり方などについて分り易く紹介してくれました。
「今がいくつであっても私から年齢を奪わないでください」「この年齢は、私が働いて働いてようやく手にしたものです」と米国作家のことばを紹介、年齢を重ねることは素晴らしいのだ。またチェコの作家チャペックの言葉「秋の花は驚くほど精力的で変化に富んでいる。実際円熟した秋の花は、幼い春の花のそわそわした一時的な花よりも咲き方がはるかに力強くて、情熱的だ。そこには大人の良識と堅実さがある」。私はこの生き方で行こうかなと思っています。
お母さんとのかかわりから世の中には生まれてその他の事情で差別される人があるということ、先の戦争の時に息子の徴兵に当たって無事生還を願ったある母親が非国民と差別がされたというエピソードを紹介、私たちの社会にある注意深く隠された差別構造が戦争につながった。差別に負けずに自分の矜持を保ち、発言することが戦争を防ぐ力になる。
どうかどうかあなたの心よ高く、あなたの心よ深く、あなたの心よ広く。そしてそしてなによりも相手が誰であっても弱さを知った上での強さをちゃんと持って、歩いて生きていきませんか? 惜しんだところであと50年は誰も生きられないでしょう。今やらないでいつやるんですか。かわいい孫のためでもよいけれど誰よりも自分のために今やるんです。惜しんでられないでしょう。まずはしっかり前向いて行きましょう。「今やらないと本当にこのまま行っちゃうよ」本当に。そして、来年は参議院選挙で答えをだしましょうよ。個をしっかりもって誰が真の代表かを自分で判断して投票しましょうよ。
最後に「長生きしましょう!長生きしてちょっと見て行こうよ。でなかったら私たちの父や母はなんのために苦しい思いをしてこんな社会を残してくれたのですか。私たちのそれぞれが構成員であるこの社会を変えるのは私たちの義務です」と結び、参加者に深い感動と確信を与えてくれました。
つどいは「宮城県民へのアピール」を確認して終了しました(文責 篠原)